話したくなる人は寄り添い上手
私の母は糖尿病で透析中の身。
今回、急遽の手術がきまり、診察の待合室にて、母と待つ時間。
看護師さんが様子を見に来てくれました。
母に看護師さんが語り掛けてくれます。
「寒くないですか?あら…ここどうしたの?」
シップを貼った左手に優しく触れる手。
そして、しゃがんで母に目線を下から合わせてくれる。
母「手首〜手のひらが痛くてね…」
看護師さん「そっか〜シップ貼ると少しは楽?」
母「うーーーんそんなに変わらないかも」
くすくす笑い合う2人。
窓から入る穏やかな日差しと重なって、優しい空気感になんだか私も話したくなる。
「整形の先生に「拘縮して慢性化した痛みだから、動かして…」と言われているのですが…」
「痛みがあるからなかなか出来ないみたいで…」と補足を入れる。
その話を耳にしながら、グーパー運動を始める母。
看護師さん「そうだよね。痛いと動かしたくないもんね。無理せずにね。」
にっこり笑顔で優しい寄り添い。
「痛いのイヤだわ」と愚痴る母の気持ちを和らげてくれました。
ありがたいな、心地いいな、こんな風になれたらいいな、と感じました。
寄り添って聞いてくれて、状況を肯定してくれて、気遣ってくれて、とても優しい寄り添い上手の看護師さんでした。
逆にこの人には話したくない、話す気が失せてしまう…と感じてしまう人もいますね。
思い出したのは、2歳息子の子育てで、発達の遅れを心配し、悩んでいた頃相談に行っていた保健師さん。
1番の悩みは言葉が増えないことで、そんな私の話しを聞いてはくれるもののの…
「たくさん話しかけてあげるといいですよ」
「本を読んであげるといいかも」
「色々な交流の場に参加して刺激を増やしましょう」
などなどのアドバイスを次から次へと語っていました。
そしてお決まりの
「様子を見ましょう」
「次は1ヶ月後にまた…お話聴かせてくださいね」
で終わることが、もやもやしていました。
なぜなら、当時の私は私なりに、そのアドバイスはすでにやっていたから。
それは「もっとやれ」と言われているような気分になって、ガッカリしたことを思い出す。
怒りや悲しみがあふれて途方にくれて、孤独を感じるほどでした。
当時は、とても子育てで疲れていたのもあり、分かってもらえてない感で…数回通って行かなくなりました。
だって「もう話したくない」そんな悲しい気持ちになったのです。
最近私がお気に入りのcafe。
元々の知り合いが始めたということもあり、応援の気持ちもあって数ヶ月に1度は行きます。
美味しい食事やデザートが幸せな気持ちにさせてくれます。
それ以上に、スタッフである知り合いの彼女は、行くと、いつもとびっきりの笑顔で迎えてくれます。
「わー久しぶり元気?」「最近どう?」と聞いてくれるのはもちろん
「ねぇちょうど、聞いてほしいことあるの」
「相談したいことがあって…いい?」
と私の得意分野の心理学的な話しをふってくれる。
これは自然に話したい気持ちになる。
嬉しいからついつい饒舌になって「私うざくなかったかしら?」と後から心配になるぐらい。
そして、いつも翌日までにはメールをくれて、
「いつも来てくれてありがとう」
「相談させてもらえて気が楽になったよ」
感謝の気持ちを言葉にしてくれるので、私は「こちらこそ、ありがとう。また行くね」と返す。
完全に心を掴まれている。
人は話を聞いてくれる人、そして気持ちをわかってくれる人、寄り添ってくれる人に話したい。
否定されたり、ダメ出しされたり自分に興味を持ってくれていないと感じたら、話したくないと閉ざしてしまうもの。
人間関係を心地いいものにするためのテクニックは色々あるから、まずは知識として知ることも大切ですね。
そして、なにより相手を思いやる気持ちが一番。
「話したくなる人」私もそういう寄り添える人でありたい。